第42回ボートレースオールスター

2015年05月31日

暮れゆく光に照らされ輝く大村の水面。そんな水面に一際光り輝く一等星。スーパースターの中のスーパースター山崎智也が待ちに待たれたSGVを決めた。

年に数回しか聞けないファンファーレが鳴り響く。ピットから飛び出す6色のスーパースター。そして、緊張感の高まりを整えるかのように減速し始める各艇。進入争い。戦前動くかも、と予想された6号艇池田浩二は動かない。やはりSGV9の余裕、貫禄を感じる。

123/456。至ってスタンダードな形で最高峰のラストステージが幕を開けた。大時計の針が進む。ゼロに向かって各艇がスピードを上げ始める。スリットライン。1号艇山崎智也、2号艇太田和美、3号艇服部幸男のスロー三者がスリット先攻。この超ビッグネーム三者で形成された内枠勢が一気に外枠勢、4号艇丸岡正典、5号艇桐生順平、6号艇池田浩二を劣勢に追いやった。

スリット通過後。揃ったスロー勢の中から、徐々に、僅かにではあるが太田和美が伸びていく。太田和美の2コース戦。それは、現ボート界最高クラスの動きを魅せる。迎えた1周1M。山崎智也ピンチである。明らかに差さるであろう角度を形成し、ゆっくりじっくりと太田和美が旋回体勢に突入した。

だが、ここで焦らずミスらずの先マイを放ったのが山崎智也。しっかりとターンマークを捉えた完璧に近いターンを放つ。その懐に強烈な差しを打ち込んだ太田和美。後はどちらに勝利の女神が微笑むか。運次第に思えるような完璧なターンで二人は激突した。そして、女神は微笑む。

引き波を超えた後、フワッと舳先が浮かび上がる太田和美。それは必要以上のモノとなってしまた。その僅かなロスが勝負を決した。コンマ数秒のロスは山崎智也が太田和美を引き離すには十分なものだった。勝利の女神は山崎智也に微笑んだ。1周1Mから向こう正面に突き抜けると、オールスターV3を山崎智也が決めたのだった。

2012年賞金王決定戦優勝。2013年は低迷。燃え尽き症候群とも思えるような成績だった。しかし、2014年にG1V5。近年稀に見る記録で黄金期再突入を予感させた。だがしかし、SGVにまでは届かず2014年を終える。やはり、期待されるのはSGVだった。そして、今回のSGオールスター優勝。賞金ランキングもトップに躍り出た。艇界のスーパースター山崎智也。今後の彼には自由に、解き放たれたかの如く、G1SG戦線で我々を楽しませてほしい。

SG第42回ボートレースオールスター表彰セレモニー - YouTube














1号艇 山崎  智也
久しぶりのSGVへ。2012年劇的な賞金王制覇からSGVが遠のく。2013年は低迷すら感じさせた。しかしながら、2014年最盛期が再び訪れる。G1V5の怒涛の快進撃。SGVも時間の問題と思われた。が、SGとなると急に縁遠くなってしまった。2015年も快進撃は続きG1はすでにV2。タイトルを積み重ねる。そして、今回手にした絶好機。2006年以来のオールスターVへ。沈まぬ太陽が輝く。
2号艇 太田  和美
2005年を境にSGVが無くなる。だが2012年、ペラ制度の大きな変換期が再び彼に力を与える。2012・2013・2014とSGVが途切れることはない。そして、4年連続を狙う。更には狙うグランドスラム。モンスターは大阪のトップへ。
3号艇 服部  幸男
1997年賞金王決定戦制覇。その時は誰が予想しただろうか。服部幸男が2015年までSGVが無いだなんて。今回はその記録的なブランクを埋めるため。オールスターの頂点で劇的に決める。
4号艇 丸岡  正典
今節の85期代表。ダービーを制すること2回。いつしかダービー王とまで言われるようになった。しかし、未だに超えられない師匠の壁。少しでも師匠に近づくため、そしていつかは追い越すために。淡々と冷静に闘志は燃える。
5号艇 桐生  順平
念願のSGVから約2ヶ月。早くも次の機会が訪れる。他のレーサーとは違う点。それはすでにもう一段階上を目指している所。ここは通過点。SG二節連続Vの偉業達成へ。埼玉が誇る若きビッグレーサーが異次元のターンで衝撃を残す。
6号艇 池田  浩二
G1VよりもSGVが多い珍しいレーサー。愛知の大エースの性格はこのような特異な偏りに示されている。そんな中、今節は減点スタート。気合の灯火は消えたかに思えた。がしかし、静かに燃えていた。2013年賞金王決定戦制覇以来のSGVへ。大外となれば遠いかもしれないが、ターンの速度は変わらない。必殺ウィリーモンキーが大穴をあける。


いよいよ、やってきましたSGボートレースオールスター優勝戦。今回はSGをすでに優勝の経験がある者だけが優勝戦に揃った好メンバー。正直、大村であろうと色々な想像ができます。あの人が素直に逃げる?あの人の絶品差しが再び?あの人が捲り差し?あの人がモーター活かした全速マクリ?あの人が展開見据えてる?などなど、パターンがかなり考えられる紛れなき近年稀に見る好メンバーでウキウキワクワクしてしまいます。

直前情報も私は大事にしますので、暫定ですが一応私の予想は・・・残念!山崎智也は2着!という予想です。笹川賞は結構荒れるイメージあるんで。一発狙いたいと思います。けど山崎智也にも勝ってほしい。複雑ですが、明日の投票まで多いに悩みます。明日は競馬の世界でもビッグレースが行われます。競馬とボートレースを愛する私にとって一年で一番豪華で贅沢な一日を楽しみたいと思います。
 

2015年05月30日

次々と散っていく1号艇。まるでそこは大村ではないかのような光景だった。そんな中、ラストで登場するのはシリーズリーダー山崎智也。第二期黄金期に突入した艇界を代表するレーサー。普通ならば山崎智也がイン逃げを決めるはず。だが、ここで誰もが懸念するのは前レースで起きてしまったフライング。しかも、1号艇ということもあり各所への影響は多大である。

我々、舟券購入者が第一に考えるのが各艇のSTへの影響。SGにおける準優勝戦で2レース連続でフライングが起きるなんて前代未聞。そんな、プレッシャーが各レーサーにどんな影響を与えるのか。コンマ1秒狂うだけで天国と地獄が別れるボートレースの世界。小さい、小さい影響が勝負を決めるのだ。しかもである。山崎智也はお世辞にもSTが得意とは見受けられない。果たしてこのレース、どうなるのか。3連続1号艇勝利ならず、という予感も感じさせるラスト準優が幕を開けた。

進入は争いなく123/456。早々に6号艇濱野谷憲吾が大外宣言をしていたこともあり、大時計は枠なりに進む。そして、緊迫感が弾けだすスリット。2号艇今村豊が自信のコンマ15全速STを決めて飛び出す。内の山崎智也はというと僅かに、僅かにST劣勢に陥った。グイグイと内2艇が無音の競り合い。今村豊はプレッシャーをかけ、それに山崎智也は精神が揺るがぬよう集中力を高める。

1周1M。十分にかけたプレッシャーを、フッと解くように今村豊が差し旋回体勢に入る。今村豊はここを勝てば優勝戦1号艇が巡ってくる。一つのミス。山崎智也の一つのミスを見逃さぬよう、山崎智也の動きに注視する。だがしかし、山崎智也は完璧だった。白いボートはターンマークをキッチリと捉えて美しく先マイ。誰にもその時空は陥れることができなかった。早々と山崎智也が優勝戦1号艇を手にしたのだった。

1つの席は埋まってしまった。ということは、ラストの椅子に他のレーサーが殺到する。1周2M。今村豊が危険を察する。1周1M、しっかりとベストは尽くした3号艇石野貴之が、向こう正面で今村豊と並走すると、1周2Mでは持ち前のスピードターンが良い角度で今村豊に襲いかかっていた。このままでは。そんな思いがあったのか、比較的クリーンなレースをする今村豊が、らしからぬ様相で石野貴之にボートをガツンとぶつけにいった。これがSGの優出権を争う最高峰の戦い。どんなにその舞台を経験しようとも、枯渇せぬ欲望なのだ。

そんな激しいアタックを受けた石野貴之は大きくバランスを崩し後退。一気に優出争いのメンバーから消えていった。消えては現れる欲望者たち。次に今村豊へ襲いかかっていくのは愛知の大エース池田浩二と地元大村ラストの望み石橋道友だった。

2艇のボートが今村豊の懐を捕らえると今村豊は一番大外。決して優勢とは言えぬ位置に追いやられた。2周1M。一か八か、出たとこ勝負の賭けに出たのは石橋道友。最内から苦しい体勢ではあったが先マイを仕掛ける。前を行く山崎智也が創る航跡の内側をなぞるような奇跡のターンを狙う。だがしかし、石橋道友のボートは航跡を避ける事はできなかった。スピード奪われ失速。冷静にその様子を見ていた池田浩二の差しが石橋道友の執念を切り裂いた。

最内を差したはずの池田浩二。だがしかし、更にその内をえぐってきたのは大外に追いやられていたはずの今村豊だった。向こう正面。今村豊の方が舟足良く見え、ジワリジワリと池田浩二に追い付くと、遂にはボートを合わせて完全に池田浩二を捕らえる。デッド・ヒート。超一流のデッド・ヒートに固唾をのむ。

2周2M。切り裂かれたはずの執念は生きていた。前を行く池田浩二、今村豊の両者を何としてでも捕らえようと捨て身の切り返し。これを二人がどう捌くのか。まだ優出争いは終わらない。石橋道友を包んで交わす今村豊、待ってから差しを切り込む池田浩二。またしても優劣入れ替わろうとしていた。スピードが生きていたのは池田浩二のターン。今村豊の方が僅かに航跡に足を取られていたように見えた。

ホームストレート。今村豊が外、池田浩二が内に進路を取り、伸び比べ勝負に持ち込んでいった。ガツン!ここで今村豊が積極的に池田浩二へぶつかりにいった。艇を合わせるというよりも、強引に、力づくで制しにいったというような感じだった。浮き上がるほどダメージを受けた池田浩二のボートは失速。今村豊の策は成功したかに思えた。

だが、最終1M。池田浩二を制しに行く反動が、今村豊の操舵力を狂わせる。いつもよりもかなり早くターンマークに寄り過ぎると、旋回をするには窮屈な体勢となってしまったのだ。その瞬間、体勢を崩されながらも、本能がベストを導いた。池田浩二が綺麗とは言えないが、必要最低限なスピードターンで今村豊を抜き去った。向こう正面から最終2M。もう池田浩二の2着を揺るがすことはできなかった。こうして、最後の椅子はシリーズリーダー山崎智也と、SGV9池田浩二が手にした
 
 

85期である丸岡正典が2着ながらも優出成功。俺も必ず。そんな思いでこのレースを迎える1号艇湯川浩司。絶対に負けない。そんな思いが極限のタイムバトルとなる。コンマ03のフライング。SG準優1号艇でやってしまった。

仕方がない。他艇が0台スリットで攻めてくる中、行かなくても地獄、行っても地獄。そんな、苦しいレースとなってしまった湯川浩司は運が無かった。これでしばらくSG戦線で見れなくなってしまう湯川浩司。思えば昨年、SG連続出場記録が途切れたことが話題となった。それほどまでにSG常連となっていた湯川浩司がしばらく見れないのは寂しいことである。白熱のレースに戻る。

湯川浩司がFとなり先頭から消えて行く向こう正面。激戦となっていた先頭争いをしている一角は、なんと大外となっていた5号艇服部幸男。マクリ差しという技術を艇界にもたらした元祖天才は、新世代・篠崎仁志・桐生順平・新田雄史・下條雄太郎らが集うこのレースにおいて、誰よりも若いレースをしていたのだ。だがしかし、SG初優出が期待される新世代篠崎仁志が我武者羅に食い下がる。

篠崎仁志が内側から舳先残して2M先マイを狙う。が、次の瞬間、幾多のSGレーサーが苦しむ大村の2Mに篠崎仁志も翻弄されてしまう。握って攻めた篠崎仁志のボートは船底が見えるほどにバランスを崩すと失速。すると、百戦錬磨の雄、服部幸男が冷静機敏に先頭に踊り出た。

元祖天才レーサーはやはりオールスターで決めてきた。これで3年連続のオールスター優出である。実は私は信じていた。これまた根拠の無い自信。服部幸男は優出を決めてくると。それを信じ購入した舟券を確認する。・・・2-5-13と1-5-23。激しく後悔。服部幸男を僅かに疑い2着で買ってしまった自分に呆れた。どうでもいいので、再びレースに戻る。

他艇を後目に抜け出す5号艇服部幸男。SG準優勝戦はここからが本番である。新世代によって熾烈を極める2番手争い。篠崎仁志・桐生順平・新田雄史が激突する。2周1M絡み合う3艇。僅かに優勢に見えた桐生順平が旋回を開始する。そこに、一番大勢不利な所から一発逆転を狙う新田雄史が切り返しを図る。その2艇を行かせて全速の最内差しを狙ったのは篠崎仁志。向こう正面、優勢なポジションを得たのは篠崎仁志だった。

激しくなりそうな勝負が決まったのは次の2周2Mだった。内に篠崎仁志、外に桐生順平が同体で並走し突入する2M。篠崎仁志は警戒した。桐生順平の必殺全速旋回を。当然である。警戒しないほうがおかしい。そして、握る篠崎仁志。桐生順平を張りに行く。正解に思えた。というか完全に桐生順平はツケマイ全速旋回の態勢に入ったように見えた。改めてリプレイで見てもそうとしか思えない。だがしかし、吹っ飛んでいったのは篠崎仁志、ただ一人だった。消えるかのような超絶フェイント。全速と見せかけて差したのだ。数々のSGで積んできた経験値が彼を更に強くしていく。新世代の天才が元祖天才と優出。この二人の天才が波乱のレースを締めくくった。
 

多くの者が頭をよぎった、師弟ワン・ツー。弟子の丸岡正典は1号艇。圧倒的に優出が支持される中、師匠である太田和美は5号艇。ということは、それを実現するためには師匠である太田和美の頑張りが必要だった。相手は峰竜太や瓜生正義。決して容易なことではなかった。しかしながら、それは実現する。

進入はピット離れの影響もあり1234/56。太田和美が絶好の5カドとなった時点で、科学的な根拠はゼロの予感が強まる。太田和美が未だにモンスターたる所以。それは、技術と決定力と精神力が超一流だからだ。肝心な所で逸する偽A1レーサーとは違うのだ。そして、それはこのレースにおいてもそうだった。コンマ04のST。しかも、カド受けである4号艇平田忠則は凹んでいる。

『もらった!』

そんな心境が聞こえてきそうなスリットに心拍数が急上昇。ダッシュの分突き抜けていく黄色い流線。そのまま、一気に内側を叩いていく。4,3,2・・・。だがしかし、弟子の丸岡正典だけは信じていたし知っていた。太田和美は決めてくると。これが功を奏す。

超抜エンジンにあぐらをかくことなく、内側で唯一の0台STを決めた丸岡正典のボートだけが、太田和美の進撃を止めることができたのだ。その後は、丸岡正典が見つめていたのはターンマークだけだろう。差されるか否かは運にまかせよう。先マイだけを祈り、辛くもそれは達成した。

その光景を外側から愛らしく見つめる者がいた。師匠の太田和美だ。キツキツの旋回をする丸岡を、よしよし、とあやすようにマクリ差しを打ち込む。そして、それはザックリ、スパッと決まる。これで師弟ワン・ツーの達成。さすが太田和美。丸岡正典は師匠の偉大さを、改めて感じるのであった。
 


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2011年秋からボートレースにハマってます。新参者です。ボートとラジオと海外ドラマによって体が構成されています。自分の目から見えるボートの世界を呟きます。
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