SG/PG1

2015年10月25日

今節も長きにわたって戴冠を待望されていた者が、SGウィナーの仲間入りを果たした。守田俊介。周りが天才と称するその才能の輝きは浜名湖でよりいっそう輝くこととなった。

優勝戦。不安視されたのは準優で見せたピット離れの悪さだった。そのレースでは隣であった2号艇の原田篤志が異常なモーターの仕上がりというのもあったのだが、危うくインコースを取られてしまいそうになるほどのピット離れを見せてしまった守田俊介。相手が原田篤志で良かった。これが松井繁であったのならば、あっさりとインコースを奪われていたかもしれない。優勝戦ではそこからすでに目が離せないものとなっていた。

響き渡るSGのファンファーレと共に勝負の水面へと飛び出す6色のボート。大丈夫、守田俊介はしっかりとピット離れをこなした。あとはいつも通りのことをするだけだ。しかし、それができないのがSGの優勝戦。実際に数多の1号艇が、あと僅かという所で散ってきた。

運命は自分次第。そんな大一番で守田俊介は自身で道を切り開く。彼は一人ゼロ台のスタートとなるトップSTを放り込んだのだ。これが優勝戦で見せた守田俊介の強い決意の表れだった。こうなるとあとは浜名湖が背中を押してくれる。強い追い風が吹く水面の中、守田俊介を脅かす影は見当たらなかった。唯一、地元の3号艇山田雄太がツケマイを打って出るが、守田には遥か遠く及ばず。一瞬にしてSGの頂きを手に入れた。

2着には地元唯一の優出となった山田雄太。これからが楽しみなの選手なのは間違いなく、そのスタート力には可能性を感じる。今節の優出はまぐれではないと信じている。3着に超抜モーターを手にした原田篤志。原田にとっては最大のチャンスだったのは間違いなく、このチャンスを活かしきれたとは言えない結果に悔やまれるかもしれない。

4着には松井繁。今節は王者の走りを遺憾なく披露。初日の連勝を見た時には、勝負どころの強さはやはり別格。久しぶりの覇道を見せてくれるかもというのを感じだ。しかし、優勝戦の走りは力強さを失っていたように感じた。年末で今節序盤のような勇姿が見られたなら、新たな歴史を見せてくれるだろう。

5着は太田和美。やはり、現大阪支部ナンバー1は太田和美なのではないかと思えるような安定感は流石。齢42にして怪物という名に相応しい走りを未だに見せる正に怪物。優勝戦では浜名湖の風が味方してくれなかったが、これからも幾度と無く大舞台でその光景を目にするだろう。

6着となった石野貴之も先日のSGVをしっかり糧とし成長を続ける。しかしながら、今の彼の視界には年末地元の大舞台しか見えていないのかもしれない。

こうして、天才と呼ばれた男が悲願の初戴冠を果たした浜名湖SGボートレースダービー。年末も飄々とすんなりと守田俊介が獲ってしまうのでは、とのようなことを感じながら来月ラストチャンスとなるSGチャレンジカップを待ちわびることとなる。

 

2015年10月20日

SGボートレースダービー開幕!9月にSGが開催されなかっただけで、こんなに長く感じるのですね。そんな待ちに待たれたSGが開幕したのですが、初日は良くない波乱が続いてしまいました。4Rでは4艇がフライング。その中には池田浩二選手も含まれていました。池瓜復活を望む者としては非常に残念な結果です。12Rドリーム戦では茅原悠紀選手が欠場。この欠場には白井英治選手が絡んでおり、白井選手は賞典除外となりました。茅原選手も0点発進で厳しい状況です。

池田選手が駄目なのなら瓜生選手に活躍してほしいとは思うのですが、初日二走を見る限り良いムードとは思えませんでした。一方奮闘したのは王者・松井繁。松井選手のモチベーションである賞金王出場を決めるべく王者が激走しました。やはり勝負どころでは超一流の走り。そんじょそこらの偽A1レーサーとは違うというのを感じさせてくれます。ここからは技術では計り知れない上昇を見せてくれるかもしれません。

前日から注目を浴びるエース機を味方に暴れまわりそうなのは伏兵・原田篤志選手。2Rでは太田和美選手に競り勝つ勝利。これは原田選手に勢いをもたらしそうです。モーター気配の良さを感じました。オープニングから見せてくれた1Rの山田哲也選手も良いのではないでしょうか。ダービーは優出経験があるSGです。あれが最後とならないよう怒涛の走りを期待です。

地元浜名湖から期待したいのは山田雄太選手。SG初出場ですが持ち前のスタートを武器に1号艇からイン逃げを決め水神祭をとなりました。勢いこのままに準優、優出と大活躍を期待です。

他にも注目選手目白押しなのはいつも通りのSGといったわけで、盛り上がりは上昇の一途。明日はどんな最高峰が見られるのか。非常に楽しみです。

 

2015年08月30日

いつもより早い夏の終わりを感じさせる肌寒い風がつつむ蒲郡。しかし、そんな風をよそに蒲郡の温度は上がり続けた。その熱が最高点に達した時、歴史的なレースがここに生まれた。

SG第61回ボートレースメモリアル優勝戦。ファンファーレが鳴り響きピットから選ばれし最高峰のレーサー6名が飛び出した。進入争いは見られず。展示同様の静けさで、漆黒の水面に6つのボートが漂う。1号艇でこの状況を迎えられた峰竜太は何を感じていたのだろう。

予選最終日から3戦連続となる1号艇。数多のSGウィナーが突き進んだVロードを歩む峰竜太。彼もその仲間入りを遂げるはずだった。はずだったのに・・・。

1号艇峰竜太がコンマ05のトップスタートを切る。今節も尻上がりに合わせてきた超人的感覚は優勝戦でも研ぎ澄まされていた。六日間の集大成を振り絞り始める。しかし、1周1Mにそれが起こる。予選のイン戦から気になっていたという、ターンマークもれがここでも起きてしまった。

昨日の準優では辛うじてこの状況でも中島孝平の差しを凌ぎきれた。だがしかし、SGの優勝戦という舞台においてこのターンでは許されなかった。すかさず差し込んできたのは2号艇篠崎元志だった。

今節の篠崎元志は素人目にも見える雰囲気を持っていた。その雰囲気というのは余裕があるというような、冷静というような、最高のリラックス状態というか、なんとも言い表せない妙なものだった。とにかく歴戦の大物レーサーが持ち得るものに見えた。

一昨年のこの舞台、篠崎元志は優勝戦でフライングという最も重い十字架を背負った。その影響は確実に近況までのレースに現れていた。未だに払拭できているのかすら分からないぐらの深い傷。しかし、篠崎元志はその傷を背負いながらもコンマ06のスタートを決めた。

篠崎元志が迎えた1周1M。完璧とは言えない峰竜太の懐に全身全霊を込めた差しを撃ち込んだ。そして、この差しは峰竜太の懐をガッチリと深く捕らえた。大歓声が向こう正面の若獅子たちの一騎打ちを包み込む。

内に篠崎元志、外に峰竜太。ほぼ、普通ならば篠崎元志が圧倒的優勢。1周2Mをいつも通りに回るだけだった。しかし、この若獅子たちの一騎打ちにスパイスを与えたのは正真正銘のSGレーサー5号艇中島孝平。SGVの難しさを知るSGレーサーが、二人の若獅子たちに甘い思いを許すわけにはいかなかった。

彼も予選序盤では久しぶりのSGVを感じさせるほどの鋭さだった。その中島孝平が1周2Mでは篠崎元志に試練を与える内側からのプレッシャー。というより、中島孝平は自身の小旋回には絶対的な自信があるはずだ。これを捌ききれなかった瞬間、中島孝平が一気にトップに立っただろう。

2号艇にプレッシャーを与える5号艇。この光景を大外から見据えていた1号艇峰竜太にはどう見えていたのだろう。正にこの光景は2013年オーシャンカップ、真夏の夜のあの時だ。あの時の松井繁の位置に自身がいるのだ。となれば、やるべきことは一つしかない。あの時の松井繁のように前を行く2号艇を全速で差し返すしかないのだ。

先マイする篠崎元志。若干窮屈な旋回。そこにあの時の松井繁よりも鋭く、激しく全速の差しを撃ち込めたのは峰竜太。見事に再現した。今度は2013年を彷彿とさせる差し返しが篠崎元志の懐に深く突き刺さる。とうとう峰竜太にその日が訪れたのだと感じた。しかし、2013年の峰同様、ここで諦めるわけにはいかなかったのが篠崎元志だ。

2周1M。この差があれば峰竜太がいつも通りにターンをすることができたのなら、捕まえられる者はそうそういなかった。だが、なぜだろう。これがSGVのプレッシャーなのか。峰竜太はいつも通りのことができなかった。またしても1周目同様にターンマークをもらすと、今度はターンの出口では不安定にボートが暴れる。この瞬間、逆に篠崎元志は普通以上、いや最高のターンを繰り出した。

2周目の向こう正面でもガッチリと峰竜太の懐を捕らえた。同年代の最高峰、峰竜太と篠崎元志が並走のまま、更なる逆転が生まれる予感がしていた2周2Mを迎える。差すか、ツケマイか、峰竜太がどちらとも思えるタイミングでターン動作を始めて篠崎元志を揺さぶる。だがしかし、その時点で篠崎元志の集中力は乱れを整え、トップレーサーが見せるゾーンに入っていた。

瞬時に峰竜太の動きを見切ると、冷静機敏に対応、付け入るスキは完全にゼロだった。篠崎元志が歴史的なレースに終止符を打つと、ゴールでは何度も何度も喜びを爆発させた。幾多のレーサーが囚われては抜け出せずにいたジンクスを打ち破った篠崎元志。一方で、またしても嫌な流れに入り込んでしまった峰竜太。彼らの道は別れた。

とにもかくにも、自身も口にしていた真のSGタイトルを獲得した篠崎元志。彼が次世代のボートレースを率いるリーダーの資質を一番有しているだろう。今後の篠崎元志の大飛躍の始まりと共に、夏の終わりの祭典は幕を閉じた。




 



 

2015年08月29日

準優勝戦9R

先陣を切って1号艇市橋卓士がイン逃げを決める。市橋卓士は遅れる2・3号艇をよそに、しっかりと持ち味のスタートをコンマ11で決める。襲いかかるはカド4号艇池田浩二。ブルーインパルスの名が示す通りの強さを誇る青いカッポックが鋭い捲り差しを1周1Mで放つ。更にその動きに連動したのは5号艇坪井康晴。静岡が誇るSGウィナーは展開を逃さない。2つの閃光が市橋の懐を捕らえたかに思えたが、先に回る市橋がなんとか追撃をかわし1着。2番手争いは坪井康晴が終始優位に進めると優勝戦の切符をもぎ取った。地元の二者、柳沢一と池田浩二は悔しさ残る敗退となった。



 

準優勝戦10R 

イン逃げの流れに乗ったのは1号艇篠崎元志。2コースツケマイ2号艇下條雄太郎、3カド3号艇太田和美、全艇ゼロ台の超高速スリット合戦に動じることはなく、新王者に指名されたのは伊達ではないと、危なげないイン逃げを決めた。激しくなる2着争いを制したのは終始外をぶん回した下條雄太郎。強気の選択にもしっかりと足がついてきていた。この二人が優出を決める。そんなレースではあったが、この中で一番魅せてくれたのは4号艇原田幸哉だったと思う。太田和美がカドを奪ったのは想定内ながら残念だったが、追い風水面の中4コースからトップスタートであるコンマ02を放つ戦いを見せてくれたのは、ファンの期待に応えられたのではないだろうか。然るべき時にファンの期待に応える走りを見せる。それが真のトップレーサーなのだろう。太田和美も3カドを毎度のようにビシッと決めてくることも次元が違うのだが。





準優勝戦11R 

悲願のSGVへ是が非でも決めなければならなかったイン戦を見事に決めたのは、シリーズリーダー峰竜太。こちらもコンマ03というハイスリットでイン逃げを決めた。この気持がうまく明日に繋がれば、自ずと戴冠が見えてくる。2着に普通ならば差していたかもしれない2号艇中島孝平。足の差の分前を行かれた。この二人がしっかりと優出を決めた。注目していた4号艇瓜生正義はやはり下降ラインを脱することができない。競り負けたのが中島孝平だったというのは唯一の救いではあるのだが。希望が持てない走りだったことは否めない。陽はまた昇るのか、流れには逆らうことができないのか。現時点で瓜生正義は最前線から退いた。



 


予選が全て終了しました。ボーダー組が転覆やらエンストやら妨害失格などで、12Rを走る選手にまでチャンスが生まれる稀な状況となりました。そんな中で予選トップとなったのは峰竜太選手。本日もしっかりとイン逃げを決め、文句なしの成績でシリーズリーダーの座をもぎ取りました。私の記憶だとSGでの予選トップ通過は初めてだったような気がします。とうとうその瞬間が訪れるのでしょうか。がしかし、それを容易く訪れさせまいと2番手で篠崎元志選手がチャンスを窺います。

篠崎選手もSGウィナーとはいえ、賞金王シリーズ戦ですからね。はっきり言ってSGとは言えないようなタイトルですので、是が非でもここは狙っているはずです。前節三国のオーシャンカップはモーター良さ気でしたが妨害失格に泣きました。地元福岡のG1では優勝戦1号艇を手にするも敗戦。これから真のビッグレーサーになるためにはここが重要なのかもしれません。

そして、もう一人の1号艇は市川卓士選手。大舞台では同支部田村隆信選手の影に隠れがちでしたが、スタートの早さは艇界屈指のモノがあります。今年は初G1Vも決めてブレイク元年となりうる年でしょう。まずは優出狙いでしっかりと決めたいですね。

地元勢でトップとなったのは伏兵視されていた柳沢一選手。こちらも市橋選手同様にSTが目立つ選手。初日の風が吹き荒れる中で4コースマクリを決めたのが今節は印象的でした。やはり只ならぬスタート感を持っているのでしょう。以前舟券をとらしてもらったこともある印象深い選手。地元勢からしっかりと優出してもらいた所です。

他には今節のダークホース的存在下條雄太郎選手。二日目2号艇での丸岡選手を逆転しての勝利は印象的で、そのまま得点を積み重ねました。結果的に2号艇を獲得。優出狙います。

一方で後半失速した感があったのが中島孝平選手。ひょっとしたら予選トップもなんて思っていた初日、二日目でしたが、その後に4号艇で6着は痛恨でした。明日はシリーズリーダーとの対戦ですが、持ち前の旋回技術でなんとか一泡吹かせたいですね。

最後にすべりこんだ山崎智也選手。前節SG三国ではまさかの予選落ち。今節も明らかにモーター劣勢ですが、明日は6号艇という不利な枠。なんとか間に合わせたいところですが、さすがに準優メンバーともなると厳しいのかもしれません。

というわけで、明日は激アツの準優勝戦。果たして誰が優勝戦1号艇を手にするのか。ここにきて個人的には峰選手の戴冠を期待してしまいます。けど悔し涙も見てみたかったりして。一昨年のオーシャンカップでの失態を払拭するべく、明日は大事な一戦に挑みます。ナイター決戦もいよいよ大詰め。見逃せない戦いが続きます。

 

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2011年秋からボートレースにハマってます。新参者です。ボートとラジオと海外ドラマによって体が構成されています。自分の目から見えるボートの世界を呟きます。
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