第25回グランドチャンピオン

2015年06月28日

13年という長き時を経て、宮島に失われたピースを最後に埋めたのは選ばれし6色の光だった。

場内に鳴り響くSGファイナルのファンファーレ。ピット離れは波乱なく、綺麗に6艇飛び出す。最後の舞台を味わうようにゆっくりと水面を漂う6人の戦士たち。進入争いはなく、各々覚悟のコースに向かっていく。123/456。スーパースタンダードな隊形で優勝戦が始まった。

ダッシュから航跡があがる。なんと言ってもこのレースのキーマンは4号艇深川真二だ。初日ドリームから脅威の舟足。人々の目を釘付けにするその舟足は、深川真二にパワーとチャンスを与えた。その力を武器にシリーズリーダーにまで上り詰めた深川真二。準優では後輩峰竜太に先頭を奪われたが、ここは絶好のダッシュカド。人々の注目は否が応でも深川真二に集まる。

大時計がゼロに近づく。ダッシュの3色からスピードに乗る。バラバラに離れていた光が綺麗な真横一文字を形成しはじめる。そして、ゼロと同時に6色の光線がスリットを通過。人々の視線はどの色が強く光り輝くのか、それだけに注目し目を凝らす。

だがしかし、私が期待した青い光は輝きを失った。他艇とほぼ一直線にスリットを通過するも、予選道中のような強烈な伸びを見せない。カド受け3号艇松井繁に4号艇深川真二は受け止められた。

1周1M。強烈な光を浴びせたのは真っ白な光だった。美しくターンマークをなぞっていくのは1号艇山崎智也。近況で結果を残し続けるこの動きは、今回も変わること無く力強かった。残念なのは2号艇峰竜太。全速の差しを打ち込む予定(その後ツケマイを狙ったと知る)のその刹那、峰竜太は初動のミスから持ち前のターンを打ち込むことができず。早くも山崎智也を追える体勢にはなかった。

全速で握る3号艇松井繁。サイドはかかるも、山崎智也を陥れるまではいかず。展開つくれずに1周1Mを迎えた4号艇深川真二は已む無く二番差し。完璧に回った山崎智也にこれでは追いつくことができなかった。

更にその外、展開向くことだけを祈っていたであろう、5号艇辻栄蔵、6号艇中島孝平らは無論攻める余地なし。遅れをとる。向こう正面を一瞬にして突き抜けた山崎智也。こうして艇界のライジングスターは二連続SGVとなるド派手なエンディングをもたらした。

優勝したのは山崎智也だが、各艇スタートは素晴らしかった。フライングで大返還という歴史を背負う宮島で行われるSG優勝戦のスタートは、13年分の重い重いプレッシャーがあったはず。そんな中では、コンマ10台前半が攻められる上限だったかもしれない。そこをキッチリと攻めてくる技術の高さに最高峰というものを感じた。

そんなハイレベルなレースを制覇した山崎智也。これでもちろん賞金ランキングは独走だ。40代に突入し再加速を始めたライジングスター山崎智也。未だ見ぬその加速は新世界へ突入する。






 

2015年06月27日

いよいよ、優出を賭けた3つ目最後の準優勝戦。注目はもちろんシリーズリーダー深川真二。他艇を圧倒する舟足を武器にここまで勝ち上がってきた。あと2つ。試練を乗り越えれば頂が手に入る、という所までやってきた。

進入はすんなりと123/456で決まるはずだった。しかし、ピット離れで5号艇井口佳典が立ち遅れ。予想外の前付けとなり、本番は125/346。カドの脅威が地元の4号艇山口剛から、悲願の戴冠を目指す3号艇峰竜太に変わった。そして、カド受けはF2から久しぶりのSG参戦となった井口佳典となる。これが結果的にはレース内容をガラリと変えたのかもしれない。

各艇がスピードを乗せてスリットラインを目指す。注目のSTは4カドとなった峰竜太が飛び出した。こうなればやることは一つ。内側を叩いていくだけだ。井口佳典、篠崎仁志、そして同支部の先輩深川真二も容赦なく叩いた。前回のSGオールスター準優で見せた太田和美のような余裕は峰竜太になかった。唯一つ、先頭を目指すだけだった。一気に内側をマクリ切ると向こう正面先頭に立った。そして、そのまま先頭キープ。峰竜太が優出を決めた。

気になる二番手は捲くられながらも先輩深川真二。これには峰もホッとしたかもしれない。深川自身も11のSTを決めていたのだが、序盤ほど機力でその差を埋めることはできなかったようだ。展開向いたように思えた山口剛は、1周1Mでサイドが掛からずに無念の後退。こうして、3つ目最後の準優勝戦からは佐賀支部の二人、峰竜太と深川真二が優勝戦へと進んだ。





 

2つ目の準優勝戦。注目は前節SGオールスターを優勝した山崎智也。衰えを知らぬスーパースターはここでも輝きを失わない。このレースは6号艇に今村豊がいる。ということは見慣れた光景オールスロー。今村豊がいてはこの隊形でも仕方がない。そんな流れもいつものことだった。

だがしかし、本番は4号艇深谷知博と5号艇新田雄史が外に出る。勇猛果敢な若き二人はコースよりもスピードを求めた。1236/45。この隊形でレースは始まった。

注目のスリット。ダッシュの二人もSTは決めていた。しかし、レジェンドが高くそびえる。今村豊がトップSTの08。若き二人がいくら攻めようとも、今村豊の時計が狂うことはなかった。

1周1M。3コースからツケマイに打って出たのは3号艇中島孝平。しっかりとサイドも掛かっていた。だがしかし、インの山崎智也がその中島をブロックしつつも好旋回。脅威は無くなったかに思えた。

しかし、4コースから鋭い差しを放ったのが今村豊。内側から山崎智也のボートに迫ると、ついには舳先をかけつつあった。ここで舟足の差に山崎智也は生かされる。外側から僅かに、僅かに伸び返すと、今村豊を振り切ることに成功。1周2Mも先頭で回ると、そのまま先頭キープ。すんなりとはいかなかったが、負けられない戦いを制した。今の山崎智也にはイン戦で見せる決定力があった。

このレースもここでは終わらなかった。ここから激しい2着争いが繰り広げられる。今村豊と中島孝平だ。今のこの二人には小回り強者といったイメージがある。そんな二人の巧みな仕掛けあいでレースはヒートアップ。

2周1Mでは小回り中島孝平、外を全速今村豊。2周2Mでは強引に先マイ中島孝平、冷静に差し返す今村豊。ここまで優勢は今村豊。優出権は今村豊の手に渡りかけていた。しかし、3周1M。中島孝平が強引に優出権を奪いにかかる。

全速戦を仕掛ける外からの強ツケマイ。やはり中島孝平もターンの天才である。そのツケマイを辛うじて受け止めた今村豊。しかし、最終向こう正面では完全に並走。最終2Mの互いのターンに注目が集まる。中島孝平は全速戦を選択。今村豊の外を強襲すると、これに耐え切れなかったのが今村豊。中島孝平が最後の最後で逆転成功。優出権を手にした。こうして、このレースからは山崎智也と中島孝平が優勝戦へと進んだ。






 

一発勝負の戦いがここから始まる。最初の準優10R。いきなりハイレベルな魂の走りを見せつけられる。展示から6号艇石川真二が戦前の予想通り動きを見せる。1236/45。本番もこのままだろうと私は過信していた。すでに王者松井繁の術中に陥っていた。本番は126/345。3号艇松井繁がスッと石川真二に内を譲った。

「やられた!」

そんな感情がこみ上げる。そして、松井繁は4カドを選択。ある意味この選択は、吉田拡郎を警戒したのかもしれない。松井繁は4カドダッシュに全身全霊を注ぐ。

スピードをあげる各艇。そんな各艇の中でも、赤い勝負服の松井繁からは遠く離れた画面越しからでも、ビシビシと気迫を感じた。すると、スリットではトップSTの04。松井繁は義務のごとくトップSTを決めた。

しかしながら、カド受けとなった石川真二もF持ちの身ながら06のSTを決める。ここで決めてきたのは見事。石川真二のこのレースに懸ける想いが伝わる。松井繁がのぞいたのは半艇身。見事に松井繁の攻勢を受け止めたかに思えた。だがしかし、松井繁に甘さはなかった。

相手の舳先がかかろうとも、覇道を邪魔する障害物は弾き飛ばす。石川真二が辛うじてかけた舳先を跳ね除けると、そのまま内側を叩き潰す。そして、1周1Mを先に回ると向こう正面では先頭に立った。この走りが王者たる所以。やはり松井繁はボートレースのキングだった。松井繁が王者のレースからマクリで1着。渾身のレースを見せた。

まだこのレースは終わっていなかった。そんな、松井繁に負けず劣らずの走りを見せる者がいた。地元の大きな期待を背負って立っていた1号艇辻栄蔵だ。

1周1Mではマクリをくらい、向こう正面は4番手。しかも、前を行くのは4号艇吉田拡郎に5号艇毒島誠。現ボート界が誇るスピードレーサーたちだった。この二人が道中で逆転をするシーンは幾度と無く見るものの、逆転されてしまうシーンというのは久しく見ていない。そんじょそこらのA1レーサーではない。厳しいとしか言えない状況。しかし、辻栄蔵は諦めていなかった。

1周2Mでなんとか3番手に浮上。毒島誠を追う。技術ではなく魂で追っていた。毒島誠のミスを誘うように、内側を執拗に攻める。全速で交わす毒島に、粘る辻。地元の宮島でSGV。その想いが3周1Mで毒島のターンを鈍らせた。とうとう最終向こう正面で毒島に追いつき逆転。辛くも2着で優勝戦進出。想いは繋がった。こうして、準優の一つ目からは松井繁、辻栄蔵が優勝戦へと進んだ。





 

2015年06月26日

01R

追い込まれた桐生順平が前半の勝負駆けを決める。これで予選突破は後半次第に持ち込んだ。2着に一走頭勝負の田中信一郎。突破は厳しくなった。

02R

6号艇から中島孝平が大きな1着。最後の一走でランクアップ成功。悔やまれるのは2着5号艇池田浩二。一時は先頭まで見えていたものの、足の勝負になると後手に回った。池田浩二、菊地孝平、三角哲男は予選突破が厳しくなった。

03R

平山智加が意地のイン逃げ。2着に予選最後となった6号艇辻栄蔵。8.00で準優好枠が見えた。地元勢に大きな喜びをもたらす。勝負駆けの守田俊介と山本寛久は1周1Mで競り合ってしまい共倒れ。

04R

エース機6号艇赤岩善生が一走入魂の頭勝負を決める3コースマクリ。展示タイムは出ていた。2着に後半待たずして当確か今村豊。後半は1号艇を賭けた勝負ができそうだ。平田忠則と吉田拡郎は後半勝負に。

05R

1号艇井口佳典が勝負駆け成功のイン逃げ。久しぶりのSGで、まだ終われない。市川哲也は突破が厳しい中、前付けから地元として意地の2着。石渡鉄兵は勝負駆けならず。終戦か。谷村一哉は後半勝負。

06R

2号艇篠崎仁志が当確を決める2コース直マクリ。今節は兄よりも上をいく。2着に後半勝負に持ち込んだ3号艇毒島誠。3着新田雄史も当確に乗った。

07R

ここで4号艇シリーズリーダー深川真二が恵まれながらも大きな大きな勝利。山口達也のFも深川真二のプレッシャーが影響か。グッと予選トップを引き寄せる。しかし、このレースではスリット通過後の強烈な舟足が見られなかったのは気になる。2着章典除外の前本泰和。3着ギリギリ後半繋がる石野貴之。

08R

終戦の吉田俊彦がイン逃げ。2着こちらも敗退組の篠崎元志。3着に当確ならず峰竜太。4着7.00で終了の松井繁となった。松井繁は準優中枠か。

09R

後半1着勝負駆けの桐生順平が6.00に乗せる勝利。舟足が目立たない中でもしっかり予選突破。今村豊は6.33まで落ちた。明日この二人は外枠になりそう。

10R

毒島誠が勝負駆け成功のイン逃げ。山口剛も3着で準優を決めた。平田忠則、吉田弘文、守田俊介はここで消える。

11R

今村暢孝が気合の捲り差し。7.60にランクアップ。凄いの一言。吉田拡郎も当確。石川真二も当確の3着。深川真二はここでST逸した4着で8.67。予選トップの座は次レースの山崎智也次第となった。





12R

峰竜太が予選突破を決めるイン逃げ。2着に8.00重成一人。山崎智也は4着の8.17。この時点で深川真二が予選トップ通過となった。石野貴之、森高一真、谷村一哉は予選敗退。


というわけで、予選トップ通過となったのは深川真二選手。大チャンス到来です。がしかし、本日の走りは不安を感じさせました。なんか精神力の弱さを感じてしまいます。佐賀支部は大舞台に弱いイメージですが、今節でその流れを断ち切ってほしいものです。

予選2位は山崎智也選手。流石の一言。最終12Rはちょっと暴れすぎましたか。けれどもSG2節連続Vもあり得る形にまでもってきました。ホントに第二次黄金期突入ですね。

3位に地元の辻栄蔵選手。地元の大舞台をしっかりと盛り上げています。個人的には辻選手のSGVを生で見てみたいです。宮島で見れたら尚最高ですね。とにかく明日の1号艇で一番気合が入っているのは辻選手でしょう。

その他にも豪華絢爛な準優メンバーが揃っています。クライマックスへ。盛り上がります。

 


ギャラリー
  • 第63回ボートレースダービー(瓜生正義)
  • 第61回ボートレースメモリアル 優勝戦
  • 第61回ボートレースメモリアル 準優勝戦
  • 第61回ボートレースメモリアル 準優勝戦
  • 第61回ボートレースメモリアル 準優勝戦
  • お盆を利用して・・・
  • お盆を利用して・・・
  • お盆を利用して・・・
  • お盆を利用して・・・
スポンサードリンク
アクセスカウンター
  • 累計:

2011年秋からボートレースにハマってます。新参者です。ボートとラジオと海外ドラマによって体が構成されています。自分の目から見えるボートの世界を呟きます。
カテゴリー