2015年07月20日

第20回オーシャンカップ 優勝戦

エース機。各場に多少の差はあるもののそれは存在し、誰もが手にしたいのがエース機だ。しかしながら、そのパワーを手にしようとも活かしきれず敗れた去った者を我々は幾度と無く見てきた。そのパワーを活かすには只ならぬ経験と実力が必要なのだ。今回その機会を得たのは大阪の次代を担う石野貴之。若い時から才能を遺憾なく発揮してきた男は今節、二度目のSGを奪取すべくこの試練に挑んだ。

しかしながら、石野はエース機を相棒に初日から快進撃で他を圧倒する。僅かにスタート様子を見ながら行った初走では3号艇から捲り差し。2号艇赤岩善生が攻め展開向いたものの向こう正面で突き抜ける足は、やはりエース機といった様相だった。2走目1号艇でもスタートは躊躇気味。がしかし、スリット後からダッシュ勢を圧倒する伸び返しを見せると難なく初日二連勝としてみせた。

三走目では後手を踏んでいたスタートも決まり始める。コンマ06のスタートを決めると5コース6号艇から開いた隙間を切り裂く捲り差しで3連勝。一気にVの匂いが強くなる。4走目は4号艇のカド戦。大きな注目を背にトップスタートから要望通りのマクリ一閃。期待された結果だった。

市川哲也以来誰も成し遂げたことがないSGパーフェクトVも匂わせつつ向かった5走目。その大きすぎた期待はここで潰えてしまう。2号艇での勝負であったがダッシュ5号艇森高一真を止めることができず。遂に連勝はストップ。だがしかし、道中で見せた1号艇吉田拡郎との競り合いでは、競っても負けない力強さ見せつけた。

予選最終日6走目ではピット離れの良さも見せつける。5号艇から3コースを奪取。そして、見せた3コースからのまくり差しでシリーズリーダーを自ら決める5勝目。しかも、まくり差した相手は艇界屈指のスピードを見せる1号艇茅原悠紀という衝撃。先マイした茅原悠紀を捕らえたのだ。敵無し。この時、正にそんな状態に突入しているのだと思い知らされた。

後は二回逃げてみせるだけ。容易いようで至難の業であるこのステップ。幾多のレーサーを跳ね除けてきたこの試練に挑む石野貴之に不安要素があるとすれば精神面のみであった。だが迎えた準優勝戦。石野貴之はこれまでのレーサー人生で積み重ねてきた精神的強さを見せつける。コンマ04というこのモーターには不要なのではないか、と思われるほどの高速トップスタートからイン逃げを炸裂。そして、レース後に見せる幼い笑顔と力強い表情。完全に今回のオーシャンカップというモノが石野貴之によって掌握された。

そして、迎えたラスト優勝戦。進入若干波乱があったものの、石野貴之のVに何ら影響を与えるものではなかった。難なくコンマ11トップスタートからイン逃げ。影をも踏ませぬ速攻劇でオーシャンカップをもぎ取った。こうして石野貴之が優勝。SGV2という高き壁を越えた。この壁を乗り越えた次代のエースがどこまで成長するのか見届けたい。




 

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2011年秋からボートレースにハマってます。新参者です。ボートとラジオと海外ドラマによって体が構成されています。自分の目から見えるボートの世界を呟きます。
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