2016年10月

2016年10月31日

 待ちわびた瞬間の到来。2013年以来となるSG制覇を、地元福岡で瓜生正義が決めた。

 今節、地元の期待を寄せてエースと呼ばれたのは篠崎元志だった。瓜生が福岡・九州の顔として戦っていた数年前とはボートレース界の様相が変わり、ニュー・ジェネレーション世代の台頭は確実に進んでいた。あの池瓜がSGのドリームに選ばれない。私がボートレースを始めた頃には考えられない、そんな状況が当たり前になりつつあった。今回に限れば勝率順で選ばれるドリーム戦。とはいえ、その中に瓜生正義の姿は見られなかった。

  瓜生正義が近況でSG制覇へ近づいたのは、今年の蒲郡GC。桐生周年を制して挑んだGCでは、久しぶりとなるSGシリーズリーダーを獲得。これは大チャンスであった。エンジンの規定が変わってからというもの、SGでの優勝戦1号艇がこれまで以上のアドバンテージとなりつつあった。しかし、ここでは第一関門の準優でイン逃げ失敗。瓜生にとって、この現実はかなり厳しいものとなった。今後、再びSG戴冠の瞬間は見ることができるのだろうか。そんな疑問が私の脳裏をよぎっていた。

 そんな状況で迎えた福岡第63回ボートレースダービー。瓜生に与えられた1走目は6号艇。普段動かない彼も地元のビッグレースではコースを取りに行く。このレースでも以前のような1Mで曳き波を切り裂く旋回は見られなかったが、地の利と経験で道中を捌いて2着獲得。後半の3号艇ではニュー・ジェネ毒島を強ツケマイで沈め1着。これには最近見られなかった走りを感じたのは確かだが、優勝の二文字にはまだ程遠いという印象であった。だがしかし、この初日の滑り出しは予選突破がかなり近づくものだった。

 3日目の5号艇では目を見張る捲り差しを見せてくれた。曳き波にも負けないスピードで艇団を切り裂くと2着を獲得。4日目には2号艇からエンジン甘い赤坂の懐をキッチリと差し切り1着を取ると、4号艇でも手堅い3着。あっという間にシリーズリーダーとなってしまったのだ。特に今節の準優1号艇は松井・池田・瓜生と、数年前を彷彿とさせてくれるメンバーに心が踊った。

 シリーズリーダーを獲得した瓜生正義だが、この時点では手放しで優勝おめでとうとはならなかった。ここが、大村であればそうなれるのであろうが、ここは福岡の水面。1Mのうねりは幾多の1号艇を絶望の淵へと追いやってきた。

 5日目。準優勝戦が始まる。10Rでは松井繁が早速うねりの餌食となるイン敗戦。決して1号艇が大きなアドバンテージではないことを福岡の水面が知らしめる。11Rは予選道中の1号艇で福岡の辛酸を嘗めていた池田浩二がF艇出る中、イン逃げを決める。池田は自分の仕事をしただけではあるが、池瓜と呼ばれた時代のライバルは一足早く優出を決めた。

 12R瓜生正義が第一関門に挑む。直前の準優レースでは先述の通りF艇が出てしまっている。こういったレースの後では非常にSがシビアになりやすい。特に地元で売れているであろう瓜生正義には、自分との戦いにだけ集中できた状況ではなかったかもしれない。そんな中、かなりのS勘を掴んでいたのだろうとしか推測のしようがない 05のトップS。気合は漲っていた。2コース巧者である2号艇太田和美の差しが角度的にかなりの威圧感を醸しだしていたが、幸いうねりにバランスを崩す。すると瓜生正義の優勝戦1号艇を脅かす敵は皆無となり、2013年平和島での全日本選手権以来(賞金王シリーズは除く)となる優勝戦1号艇を決めたのだった。

 優勝戦。外に動いてきそうな胡散くさい艇もおらず、すんなりと枠なり進入。自分のレースをするだけの状況になった。そんなここでも10のトップSを決めると、全瓜生ファン、全ボートレースファンが見つめる1M。早々と2号艇池田浩二の舳先が向かずに優勝戦争いから脱落すると、3号艇白井英治は1号艇の航跡をなぞるのみ。他艇は優勝とは程遠い位置。旋回途中で福岡の水面が最後の試練と言わんばかりに、瓜生の舳先を必要以上に浮かせたのにはヒヤッとさせられたが、しっかりと瓜生正義がダービージャケットを手中にした。

 23%のエンジンでSGV8。これには瓜生正義の今後にも期待が見える。準優で福岡現エンジンレコードタイ記録を出したことにも見えるように、まだまだ整備力も能力もSG級であることがうかがる。G1クラスであれば毎年のように優勝しているのだから、超A1級であるのは間違いないのだが、彼はあの瓜生正義。欲張りすぎかもしれないが私には物足りない。
 
 とはいえ、年齢の壁というものは誰しも訪れる。今村豊や、松井繁がそれに苦しんでいるのがうかがえるように、それが瓜生正義に訪れかけているのは確実なのかもしれないが、SG最年長V記録は52歳。瓜生正義には、この記録を狙えるような、塗り替えるような姿を最前線で見せてほしい。
  
 この優勝戦で賞金ランキングはトップに躍り出た。 ベスト6入りは当確に見える。本人も切望しているであろうが、瓜生ファンも切望する賞金王戴冠へ。大チャンス到来だ。


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©デイリースポーツ





2016年10月29日

 瓜生正義、来い!!

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2011年秋からボートレースにハマってます。新参者です。ボートとラジオと海外ドラマによって体が構成されています。自分の目から見えるボートの世界を呟きます。
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